鑑識・米沢守の事件簿を見た

ドラマの相棒が好きで、初期の頃は毎週熱心に見ていました。
最近では、憶えていたら見る、という程度です。それでも好きです、相棒。
刑事貴族も好きだったし。チープな人間ですとも。

で、もっと好きなのが、劇団扉座
鑑識・米沢守の事件簿の主演、六角精児さんが所属する劇団です。
「新・羅生門」という舞台を見たことがきっかけで、一時期は公演の度に最低2回は観劇していました。
下北沢の小さな劇場のロビーで、声をかけると気さくに対応してくださった六角さん。その六角さんが映画主演かあ、と、個人的に感慨深いです。

まあ、それはさておき。
相棒シリーズの、マラソン大会な映画はテレビ放映された時に流し見したのですが、特に感じることもなく。
米沢守の事件簿も、正直、何も期待していなかったのです。
期待していなかったのですけれど、すごく良かった……片桐はいりが。

以下、ネタバレです(お断りを)


この映画、かなり2時間ドラマ的でした。
ひとりの女性が変死する→警察は自殺と判断→自殺とは思えない!という女性の元夫(刑事)が現れ、主人公と一緒に独自の捜査→女性が殺される理由や容疑者が現れる
といった。
2時間ドラマといえば、配役で犯人がわかっちゃう、なんてことも多々ありますが、この映画もそれっぽいキャスティング。

●萩原正人……所轄の刑事。離婚した妻が殺される。
伊武雅刀……警察の天下り先の団体のトップ
市川染五郎……上記の団体の中間管理職
片桐はいり……上記の団体の職員

萩原正人はこの映画の<相棒>役。彼の元奥さん役は紺野まひる。彼女が、上記の団体(まあ、名前を憶えていないのでこうやって書くのですけども)に勤めていたため、この団体の中に彼女を殺した犯人がいるんだよね、という感じで物語は進んで行きます。
で、2時間ドラマ的に配役で犯人当てをしようとした場合、伊武雅刀はあまりにもそれっぽすぎて除外。
市川染五郎片桐はいりか、という感じだけど、途中からどんどん怪しくなる市川染五郎
そしてやっぱり、犯人は片桐はいり
でもまあ、市川染五郎なのか片桐はいりなのか、わりとギリギリのところまで配役だけではジャッジし難い雰囲気にしてはありました。

この片桐はいり。自己中な屁理屈で横領し、それが紺野まひるにバレて殺してしまう、という感じなのですが。
「彼女は私に同意してくれるはずだったのに」といった感じの台詞。
このあたりの片桐はいりが良かったです。怪演。
テレビや映画に出演する片桐はいりって、コメディエンヌ的に扱われることが多いような気がするのですが、今回はとても陰鬱でした。
演出家の狙いなのか、片桐はいりの解釈なのかはわかりませんが、ともすれば単にヒステリックになりがちなところを、抑えた感じが良かった。
片桐はいりの顔だから、あの目だからこそ、出来たのかもしれません。


ということで、見終わって印象に残ってるのは片桐はいりのみ。
あとはほとんど、個人的にはハズれてました。感じるところも笑うところも無かった。

ですが、相棒シリーズのファンにターゲットを絞り切っている感じは、潔いのでは無いかと思いました。
ところどころ、無意味に現れる水谷豊と寺脇康文とかね。
何しろ、六角さんがでずっぱりですから、ふっと水谷豊が画面に入ってきた時、その可愛らしさに萌えます。
そう。相棒シリーズに萌える女性達にも優しくて美味しい、そんな映画でした。
以上。


この映画を見ていて、六角さんてこんなに大きい演技だっったっけ? と思うことが何回かありました。
主演向きでは無いのかなあ。
やはり舞台の人なのね……というのは強引だし。